このページでは、残業手当や休日出勤、深夜残業、60h超残業の時間外手当について計算式を設定する方法を案内します。
目次
・「残業手当」「休日出勤」「深夜残業」「60h超残業」以外の時間外手当を設定したい場合
・「時間外手当の設定方法」で設定ができない・ご不明な点がある場合
時間外手当について
Cells給与では初期状態で設定されている「残業手当」「休日出勤」「深夜残業」「60h超残業」を既定の時間外手当と言います。上記4つの手当はすべて「1時間当たりの単価(時間外単価)×割増率×対応する時間数(下記参照)」で計算をします。
時間外手当の計算式
- 残業手当=時間外単価×「勤怠項目」タブ「残業」の割増率×「残業時間」
- 休日出勤=時間外単価×「勤怠項目」タブ「休日出勤」の割増率×「休日時間」
- 深夜残業=時間外単価×「勤怠項目」タブ「深夜残業」の割増率×「深夜時間」
- 60h超残業=時間外単価×「勤怠項目」タブ「60h超残業」の割増率×「60h超残業」
時間外単価とは
時間外手当を算出する際に使用する、1時間あたりの賃金単価のことを指します。時間外単価は、一般的には以下の計算式により求めることができます。
給与区分 | 時間外単価の計算方法 |
---|---|
月給者 | (基本給+毎月固定で支給される諸手当) ÷ (月平均所定労働日数×1日の所定労働時間 ) |
日給者 | 日給 ÷ 1日の所定労働時間(※) |
時給者 | 時給(※) |
※日給者、時給者の場合でも「毎月固定で支給される諸手当」がある場合は、「毎月固定で支給される諸手当 ÷ (月平均所定労働日数×1日の所定労働時間)」が加算されます。
時間外手当の設定方法
時間外手当は、大きく分けて、「個人情報に登録した時間外単価を使用して算出する方法」と「計算で求めた時間外単価を使用して算出する方法」の2通りの設定が可能です。
「個人情報に登録した時間外単価を使用して算出する方法」の場合、手当金額の変更があった場合に都度単価の計算しなおし・登録が必要になります。一方「計算で求めた時間外単価を使用して算出する方法」は手当金額を変更すれば、時間外単価の登録し直しは不要となるため、おすすめです。なお、下記では両方のパターンについて登録方法を案内します。
個人情報に登録した時間外単価を使用して算出する方法
登録をおこなう前に
- 別途従業員の時間外単価がわかる資料を用意しておきます。
- 「基本項目」の「勤怠項目」タブに割増率の登録をしておきます。登録方法についてはこちらのページの「割増率等の登録内容」をご確認ください。
- Cells給与で事業所ファイルを起動し、「個人情報」を開きます。
- 該当の従業員を選択し、「基本情報」タブの「時間外単価」に金額を入力します。
- 手順2を繰り返し、登録が完了したら画面右上の「×」をクリックして個人情報画面を閉じ、入力内容を登録します。
- Cells給与の初期状態では、個人情報の時間外単価を使って時間外手当の計算をする設定となっています。特に計算式の変更をおこなっていなければ、「個人情報に登録した時間外単価×割増率×時間数(※)」にて時間外手当の計算がされます。
※端数処理は切り上げとなっています。
計算結果
2097円(手順2で登録した時間外単価)×1.25(割増率)×残業時間で計算
計算で求めた時間外単価を使用して算出する方法
登録をおこなう前に
- 部署や職種または個人ごとに所定労働時間が異なる場合、下記手順では設定ができかねるため、独自の計算式設定が必要です。詳細は「時間外手当の設定方法」で設定ができない・ご不明な点がある場合をご覧ください。
- 賃金規程など、時間外単価の計算式や対象となる手当がわかる資料を用意しておきます。
- 「基本項目」の「勤怠項目」タブに割増率と基礎日数・基礎時間の登録をしておきます。登録方法についてはこちらのページの「割増率等の登録内容」をご確認ください。
- 時間外単価の計算式を設定します。Cells給与の事業所ファイルを起動し、「基本項目」をクリックします。
- 「数式情報」タブをクリックし、「時間外手当」をクリックします。
- 「時間外単価の設定」をクリックします。
- 時間外単価の計算に必要な項目を設定します。設定内容については「時間外単価設定の登録内容」をご確認ください。
時間外単価設定の登録内容
区分 項目名 内容 A 時間外手当に連動させる手当 時間外単価の計算に含まれる手当の欄にチェックを入れます。 B 端数処理 「▼」をクリックし、時間外単価の端数処理を「処理しない」「切り上げ」「四捨五入」「切り捨て」から選択します。 C 個人情報の時間外単価を優先する 原則計算により時間外単価を求めますが、個人情報「基本情報」タブの「時間外単価」に金額の登録がある場合はその金額を優先して使用したい場合にチェックを入れます(※)。
※一部の従業員のみ単価の算出方法が異なる場合などにご利用ください。D 日給または時間給の場合は「基本給」のみと対象とする 日給/時給者について、時間外単価の計算に基本給以外の手当を算入しない場合はチェックを入れてください。 E 基礎日数と基礎時間を指定して作成します 時間外単価計算時に分母として使用する1ヶ月あたりの所定労働時間の算出方法を設定します。設定方法は下記の3パターンです。
・基本項目の登録値(原則使用)
「基本項目」の「勤怠項目」に登録した「基礎日数×基礎時間(※)」を利用して計算をします。・直接指定
1ヶ月あたりの所定労働時間を直接指定します。所定労働時間に変更があった場合は、都度「時間外単価の設定」で設定し直しが必要です。・基本項目の予備項目使用(1ヶ月時間)
「基本項目」の「勤怠項目」にある「予備1(2)(※)」に登録した時間数を利用して計算をします。賃金規程等で「1ヶ月あたりの所定労働時間」で計算するよう定められている場合に使用します。※登録場所については、こちらのページの「割増率等の登録内容」をご覧ください。
- 各項目を設定したら、「基礎日数と基礎時間を指定して作成します」にある「作成」をクリックします。「作成しますか?」のメッセージは「はい」をクリックします。
- 「設定しました。~」は「OK」をクリックし、画面右上の「MENU」をクリックします。
- 「残業手当」「休日出勤」「深夜残業」「60h超残業」の計算式を設定します。「既定の時間外手当」をクリックします。
- 上記で設定した時間外単価を使用して、計算をしたい手当(通常は「残業手当」「休日出勤」「深夜残業」「60h超残業」の全て)にチェックを入れます。
- 「時間外単価×割増率」「最終(時間外単価×割増率×時間数)」の端数処理をそれぞれ「▼」をクリックしてリストから選択します。
- 「作成」をクリックし、「作成しますか?」のメッセージは「はい」をクリックします。
- 「設定しました。~」は「OK」をクリックし、画面右上の「MENU」をクリックします。時間外単価の設定画面は「×」をクリックし、閉じます。
「残業手当」「休日出勤」「深夜残業」「60h超残業」以外の時間外手当を設定したい場合
法定内の残業手当や、60時間超の残業手当など、既定以外の時間外手当を設定する場合は、「その他の時間外手当」から設定が可能です。詳細についてはこちらのページをご確認ください。
「時間外手当の設定方法」で設定ができない・ご不明な点がある場合
事業所内で部署や職種ごとに所定労働時間が異なる場合、固定残業代を超えた分だけ残業手当として計算したいなど、このページで案内したツールでの設定が難しい場合や設定にあたってご不明点がある場合は、数式質問シートをお送りいただくことで個別の計算式の設定や計算式の確認をおこなうことが可能です。詳細はこちらのページをご確認ください。
Cells給与初期設定ガイド 目次
Step1 Cells給与を導入するにあたって(導入前~Cells給与が手元に届くまで)
2.Cells給与を複数人で共有したり、自宅や外出先で利用したい場合
Step2 初期設定をおこなう(Cells給与がインストール可能になったら)
4.Cells給与購入時のご案内書類と契約内容の確認について
Step3 給与計算に必要な情報を登録する(初期設定が完了したら)
事業所情報の登録
従業員情報の登録
手当・控除の計算式設定
16.時間外手当の計算式設定方法
Step4 給与計算をおこなう(給与計算に必要な情報を登録したら)
24.マニュアル等の確認とサポートセンターへのお問い合わせ方法
Step5 賞与・年末調整の計算について