更新日:2024年11月27日
確定拠出年金における「選択制DC」の場合における『Cells給与』の入力方法を解説します。
目次 |
選択制DCとは
「選択制DC」とは、「企業型確定拠出年金(企業型DC)」に加入するか、
加入しないかを従業員が選択できる制度です。
加入する場合は従業員自身の給与の一部を掛金とすることにより、所得税・住民税の負担軽減に
繋がるのはもちろん、 社会保険料(健保、介護、雇保、厚年)の軽減効果があります。
加入しない場合は給与としての扱いとなります。
※社会保険料の軽減は選択制DCだけです
◆確定拠出年金のその他種別については以下にまとめております 関連記事:確定拠出年金の種類・内容のおさらい
入力前に確認するポイント
「選択制DC」における掛金は、従業員自身の給与の一部であり、その掛金を積み立てて資産を運用し、
将来に年金、あるいは一時金として受け取るという仕組みになります。
掛金相当分は「退職金」の扱いになります。
つまり、給与とはみなされないため所得税・住民税をはじめ、社会保険料(健保、介護、雇用、厚年)についても
算定の対象外として入力することが必要です。
2つの入力パターン
まずはじめに、新たに「生涯設計手当」の項目を設ける必要があります。
また「掛金」は、2パターンの設定方法があります。
・【掛金】を明細の「項目」として設定する方法
・【掛金】を明細の「お知らせ」として設定する方法
上記の基本設定に加え、
時間外単価、欠勤・遅早単価の設定が共通して必要となります。
以下手順にそって設定してください。
【掛金】を明細の「項目」として設定する方法
基本給以外に「生涯設計手当」「DC掛金」の項目を設け、
「生涯設計手当」には、掛金として拠出できる限度額を入力し、
「DC掛金」にマイナスで拠出額を設定する方法について解説します。
1.固定手当に「生涯設計手当」「DC掛金」を追加
事業所ファイルを開き、「基本項目」をクリックします。
次に「手当・控除項目」タブを開きます。
固定手当欄に「生涯設計手当」と「DC掛金」を入力し「登録」をクリックします。
◆固定手当が空いていない場合 計算手当もしくは変動手当の設定が必要です。以下を参照ください。 関連記事:計算手当や変動手当を固定手当として使用できますか?
2.基本給・生涯設計手当・DC掛金額を入力
基本給を修正し、生涯設計手当、DC掛金を入力します。
「DC掛金」欄の拠出額は「マイナス表記」にしてください。
※掛金をマイナスにすることで、課税計からも引かれます
※例:基本給480,000円、拠出上限額55,000円のうち、拠出額が「10,000円」の場合
基本給 | 生涯設計手当 | DC掛金 |
「425,000円」に修正 | 「55,000円」を登録 | 「-10,000円」を登録 |
※例:基本給480,000円、拠出上限額55,000円のうち、拠出額が「0円」の場合
基本給 | 生涯設計手当 | DC掛金 |
「425,000円」に修正 | 「55,000円」を登録 | 記載なし |
【掛金】を明細の「おしらせ」として設定する方法
基本給以外に「生涯設計手当」の項目のみを設け、おしらせに「DC掛金」を設定する方法について解説します。
1.固定手当に「生涯設計手当」を追加
事業所ファイルを開き、「基本項目」をクリックします。
次に「手当・控除項目」タブを開きます。
固定手当欄に「生涯設計手当」を入力し「登録」をクリックします。
◆固定手当が空いていない場合 計算手当もしくは変動手当の設定が必要です。以下を参照ください。 関連記事:計算手当や変動手当を固定手当として使用できますか?
2.基本給・生涯設計手当額を入力
基本給を修正し、生涯設計手当を入力します。
※例:基本給480,000円、拠出上限額55,000円のうち、拠出額が「10,000円」の場合
基本給 | 生涯設計手当 |
「425,000円」に修正 | 「45,000円」を登録 |
※例:基本給480,000円、拠出上限額55,000円のうち、拠出額が「0円」の場合
基本給 | 生涯設計手当 |
「425,000円」に修正 | 「55,000円」を登録 |
3.おしらせ欄に掛金額に関する文言を入力
DC拠出している従業員の明細に「おしらせ」として掛金額を表示することができます。
事業所ファイルを開き、「給与処理」の「入力と計算」をクリックします。
「明細」をクリックし、「明細入力」画面を開きます。
おしらせを表示したい従業員を選択します。
おしらせ欄に掛金額を入力後、明細入力フォームを右上の「×」で閉じます。
※参考:明細画面での見え方
◆個人ごとのおしらせ欄の入力方法はこちらを参照ください 関連記事:明細書に従業員や部課別で異なるお知らせを記載する方法(WEB明細共通)
時間外単価・欠勤単価・遅早単価の設定
DC拠出額を含めるか、含めないか
「DC拠出額を含めた計算にするか、除外する計算にするか、どちらが正しいか。」
といったお問い合わせをいただきます。
各会社様の規定によって違うため、
弊社ではどちらの設定が推奨ということは、お答えできかねます。
顧問先にご確認いただき、設定をお願いいたします。
ここでは前提を踏まえつつ、
DC拠出額を含める場合、含めない場合、それぞれの設定方法を解説します。
時間外単価の設定
「基本項目」から「数式情報」タブを開き、「時間外手当」をクリックします。
次に「時間外単価の設定」をクリックします。
「生涯設計手当」にチェックを入れ、基礎時間・基礎日数を設定し「作成」をクリックします。
※拠出する前の金額を単価に含める場合:DC掛金はチェックを入れない
※拠出した後の金額を単価に含める場合:DC掛金にチェックを入れる
※要確認
事業所ファイル作成時に「時間外単価の設定」「既定の時間外手当」を設定し、
あとから「生涯設計手当」や「DC掛金」の欄を設けて、単価計算に含める場合は
「時間外単価の設定」のみで完了です。
「既定の時間外手当」の設定をしていない場合は、次の手順に進んでください。
既定の時間外手当の設定
「MENU」で前の画面に戻り「既定の時間外手当」をクリックし、設定します。
◆計算式の作成にお困りの際は「数式質問シート」をお送りください ※特に「部門・部課ごとに異なる基礎時間・基礎日数」で計算式を設定している場合はご依頼ください 関連記事:数式に関するお問い合わせ方法はこちら 関連記事:数式関係のご質問・ご依頼をいただく際の注意事項
欠勤/遅早単価の設定
「基本項目」から「数式情報」タブを開き、「欠勤、非課税等」をクリックします。
次に、作成する項目で「欠勤控除」を選択します。
「生涯設計手当」にチェックを入れます。
※拠出する前の金額を単価に含める場合:DC掛金はチェックを入れない
※拠出した後の金額を単価に含める場合:DC掛金にチェックを入れる
基礎時間・基礎日数・端数処理を設定し「作成」、「適用」の順にクリックします。
続いて、作成する項目をプルダウンより「遅早控除」に変更します。
「生涯設計手当」「DC掛金」の両方にチェックを入れます。
基礎時間・基礎日数・端数処理を設定し「作成」、「適用」の順にクリックします。
以上で入力は完了となります。
◆計算式の作成にお困りの際は「数式質問シート」をお送りください ※特に「部門・部課ごとに異なる基礎時間・基礎日数」で計算式を設定している場合はご依頼ください
関連記事:数式に関するお問い合わせ方法はこちら 関連記事:数式関係のご質問・ご依頼をいただく際の注意事項
参考:選択制DC以外の入力
マッチング拠出、個人型確定拠出年金(iDeCo)、中小事業主掛金納付制度(iDeCoプラス)での対応方法についてよくご質問をいただきます。
以下に各制度別の入力方法についてご案内しておりますのでご確認ください。
※iDeCoプラスはiDeCoと同じ対応で問題ありません。
関連記事:確定拠出年金「マッチング拠出」の入力方法 関連記事:確定拠出年金「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の入力方法
参考:年末調整の入力
年末調整の対応が必要な方は以下にまとめておりますのでご確認ください。
関連記事:確定拠出年金・年末調整「小規模共済等掛金申告分」の入力方法 関連記事:確定拠出年金・年末調整「小規模共済等掛金給与等控除分」の入力方法