更新日:2025年9月30日
令和7年度税制改正により「特定親族特別控除」が新設され、所得税法上の扶養控除の基準が見直されました。あわせて、日本年金機構より、2025年10月1日以降に適用される社会保険の被扶養者認定要件の変更が公表されています。
これらはいずれも、学生など19歳以上23歳未満の方に関わる重要な制度改正です。
本ページでは、税制・社会保険それぞれの改正内容のポイントを整理するとともに、「Cells給与」でご活用いただける機能についてご案内します。
なお、令和7年分年末調整全体に関わる変更点につきましては「令和7年分 年末調整の主な改正点と従業員への案内資料」をご覧ください。
令和7年度税制改正「特定親族特別控除」の創設
令和7年度税制改正により、特定親族特別控除が新たに創設され、大学生等の19歳以上23歳未満の方の収入が103万円を超えても世帯への税負担が大きくならないよう、段階的な控除が適用される制度となりました。
改正内容
■対象者
居住者(納税者)と生計を一にする、19歳以上23歳未満の親族
※ただし、配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます。
■所得要件
合計所得金額が58万円超123万円以下の人
※給与収入のみの場合、その年中の収入金額が123万超188万円以下である人
合計所得85万円(給与収入150万円)以下の場合、特定親族特別控除額が63万円(満額)となります。
■適用時期
令和7年(2025年)12月以降の年末調整・確定申告から
参考:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」
社会保険の被扶養者認定要件の緩和
本改正は、令和7年度税制改正により、所得税法上の扶養控除に関する基準が見直されたことを踏まえた制度調整です。
具体的には、人手不足対策・就業調整対策として「特定扶養親族(19歳以上23歳未満)」の年収要件の緩和が決定されました。これに伴い、健康保険制度における「被扶養者」の認定基準についても、税制と整合性を持たせる形で見直しがおこなわれたものです。
改正内容
■対象者
19歳以上23歳未満の被扶養者
※ただし、被保険者の配偶者は除きます
■年間収入要件
被扶養者認定における年間収入要件が 130万円未満 → 150万円未満 に引き上げられます
■適用時期
2025年10月1日以降の届出に適用
注意点
■年齢の判定基準
年齢判定は「扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢」で判断されます。
例えば、2025年10月に19歳の誕生日を迎える場合には、2025年(暦年)における年間収入要件は150万円未満となります。
| 2024年 | 2025年~2028年 | 2029年以降 |
| 18歳の誕生日を迎える年における 年間収入要件は130万円未満 |
19歳の誕生日を迎える年から 22歳の誕生日を迎える年における 年間収入要件は150万円未満 |
23歳の誕生日を迎える年以降 60歳に達するまでの間の 年間収入要件は130万円未満 |
■認定時期での適用
10月1日より前の期間を含む場合は、従来の要件(130万円未満)が適用されます。
扶養認定日に応じて旧基準/新基準のいずれで判断されるかに注意が必要です。
例)2025年10月1日以降の届出で、2025年10月1日より前の期間について遡って認定する場合は、19歳以上23歳未満の被扶養者にかかる年間収入の要件は130万円未満で判定します。
参考:日本年金機構ホームページ「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」
税制・社会保険の改正点まとめ
| 税制 | 社会保険 | |
対象者 |
19歳以上23歳未満である者 ※居住者(納税者)と生計を一にする親族 ※配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除く 【年齢判定基準】 |
19歳以上23歳未満である者 ※2025年10月1日以降、扶養認定を受ける者 ※配偶者を除く 【年齢判定基準】 |
年収要件 |
給与年収150万円以下の場合、特定親族特別控除額が満額(63万円)となる ※給与収入150万円超188万円以下の場合は段階的に受けられる控除額が減少する |
年収150万円未満(見込額)の場合、被扶養者となる
|
適用時期 |
令和7年(2025年)12月以降の年末調整・確定申告 ※令和7年(2025年)11月までは改定前にて対応
|
2025年10月1日以降に手続きする場合 ※2025年10月1日以降の認定日である届出に適用 |
【Cells給与】「パート所得一覧」の活用方法
Cells給与の「パート所得一覧」機能では、扶養内において対象の従業員が本年においてあとどのくらい勤務が可能なのかを一覧で確認することができます。顧問先様へ参考資料としてお渡しし、ご活用ください。
1.「パート所得一覧」を開きます
「その他処理A」より、「賃金台帳」をクリックし、「パート所得一覧」を開きます。
2.「作成」にて対象者・条件の設定をおこないます
①「時給者」にチェックを入れ、年齢には「19」歳から「22」歳までと入力し、「リスト再表示」をクリックします
②【所得税関係】課税計「150」万円、【社会保険関係】総支給額「150」万円と入力し、作成をクリックします
3.結果の確認、出力をおこないます
表示された結果を確認します。「印刷」ボタンから一覧表の出力をおこない、顧問先様へお渡しください。
◆「パート所得一覧」機能にて、特定親族以外の配偶者等の設定全般につきましては、
下記のサイトをご確認下さい。
関連記事:扶養内で働くために所得金額や出勤可能日数を確認する方法
◆特定親族特別控除等の詳しい解説につきましては、
社労士事務所で働く職員のためのオンライン学習サービス『ロウカレ』にて
新たなコンテンツとして追加しております。よろしければご活用ください。
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